先日、会社の設立のメリットなどについて書かせていただきましたので、
今回は、会社設立の流れついて書かせていただきます。
会社を設立することを決めたら
まず、以下の手続きが必要です。
定款の作成(取締役、代表取締役、本店所在地の決定)
↓
定款の認証(公証人役場)
↓
出資金の払込(出資をする人の口座に出資金を入金し、コピーをとるだけでよい)
↓
登記申請(法務局)
ここまでは、公証人役場や法務局とのやり取りです。
法務局で登記が完了すれば、会社設立です。
その後、税務署・社会保険事務所・労働基準監督署などへ書類を提出する必要があります。
給与支払が発生すれば社会保険事務所、従業員をやとえば労働基準監督署への手続きが必要です。
ここでは、税務署等に提出する書類についてご説明します。
書類名 |
提出先 |
提出期限 |
添付書類、注意点等 |
法人設立届 |
管轄の税務署
都道府県事務所
市町村役場又は市税事務所 |
法人設立後
2ヶ月以内 |
添付書類:定款の写し
履歴事項全部証明書
東京23区の場合は、税務署と都税事務所の2か所に提出 |
青色申告の
承認申請書
|
税務署 |
法人設立後
3ヶ月以内か
第1期の事業年度
終了日の
どちらか早い日 |
これは、提出任意ですが、ぜひ提出しましょう。
提出を忘れると欠損金の繰越控除が受けられなくなります。
30万円未満の少額減価償却資産の即時償却などの特例も青色申告の会社だけに認められている制度です。 |
給与支払い事務等 の開設届出書 |
税務署 |
第1回目の
給与支払日 |
これを提出すると源泉所得税の納付書等の書類が送られてきます。 |
源泉徴収税の
納期特例の承認に
関する申請書 |
税務署 |
申請した月の翌々月から適用(提出した翌月末までに却下の通知がない場合には承認されたことになる) |
給与支給人員が10人未満の事業所はこれを提出することにより源泉所得税を半年分まとめて納付できるようになります。承認されれば1~6月分を7月10日まで7月~12月分を1月20日までに納付します。 |
消費税の新設法人に
該当する旨の届出書 |
税務署 |
速やかに |
設立時から消費税課税事業者となる法人が提出する書類です。法人設立届に該当する旨記載しておけば提出不要です。 |
消費税課税事業者
選択届出書 |
税務署 |
適用を受ける課税期間の初日の前日(新設法人は、最初の課税期間終了日まで) |
免税業者となれる事業者が消費税課税事業者を選択する場合に提出します。提出するかどうかは慎重な検討が必要です。 |
その他、必要に応じて
消費税簡易課税制度選択届出書
棚卸資産の評価方法の届出書
減価償却資産の償却方法の届出書など
資本金が1000万円以上の会社や大会社の子会社などは、
設立時から強制的に課税事業者になるので、「消費税の新設法人」に該当します。
資本金が1000万円未満で、大会社の子会社でないなどの条件を満たす場合は、
何も届出をしなければ消費税の免税事業者となるので、
2年間は消費税の申告をする必要がありません。
(設立後最初の半年間で売上が1000万円を超えた場合は除く)
免税業者は、売上時にあずかった消費税を納める必要がなくなるので、
いわゆる「益税」が発生します。
ですので、設立時の資本金を1000万円未満にして免税事業者を
選ぶ会社さんが多くあります。
ただし、設立初年度の売上が少なく、設備投資額が大きい場合には、
課税事業者となることで、消費税の還付を受けることができますので、
免税業者のままでいるよりも課税事業者となる方が有利です。
その場合は、「消費税課税事業者選択届出書」を提出する必要があります。
しかし、一度課税事業者を選択すると少なくとも2年間(場合によっては3年間)
は免税事業者に戻ることができません。
2年目の消費税納付額が多額になることが予測される場合には、
どちらを選ぶか慎重に検討しなければなりません。
また、「課税売上割合が著しく変動した場合の消費税額の調整」
という制度があって、
一旦還付を受けた消費税をもう一度納めなければならないこともあるのです。
(詳しくは機会があればまたご紹介したいと思います。)
事業規模が大きければ、消費税額も高額になりますので、
消費税課税事業者選択届を提出するかどうかを決定するときは、
私共も大変神経を使います。
届出書は、売上高や投資額、仕入額が確定する前に
事前に提出しなければなりませんので、
少なくとも3年後までのシュミレーションを
慎重にしなければなりません。
淀屋橋総合会計では、確度の高い収支予測を立てて、
どの選択が最適が試算して判断をしております。