銀行振込手数料請求書とインボイス制度「少額特例」

10月より、インボイス制度が開始されました。

担当のSPCには、出資者が外国企業のSPCが
ございますが、こちらのSPCは、メインバンク
が全銀システムに加盟していない外国銀行と
なっております。

インボイス制度の開始により各国内銀行では
振込手数料に関する適格請求書の提供方法が
公開されました。

こちらの外国銀行もインボイス登録番号が確認
できたので、振込手数料の適格請求書の提供方法
を確認しましたが、口座引落となっている手数料
は、適格請求書が発行されないとのことでした。

適格請求書がない場合、開始から6年間は経過措置
として、一定の割合で消費税の仕入控除が出来ますが
将来的には消費税の仕入控除が出来なくなります。

但し、基準期間の課税売上が1億円以下、または特定
期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者の場合は
開始から6年間は「少額特例」として、振込手数料等
の1万円未満の仕入については、適格請求書の保存が
なくても、消費税の仕入控除が100%出来ます。

こちらのSPCは、基準期間の課税売上高は1億円を少し
超えていますが、特定期間の課税売上高が5,000万円以下
のため、今期は「少額特例」の対象となり、適格請求書が
ない振込手数料についても100%仕入控除が出来ます。

銀行振込手数料の場合は、その消費税額は少額ですが、
取引が多い事業者では、将来的には、適格請求書がないと
影響も大きくなるかもしれません。

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売上金が振込手数料を引いて振り込まれた場合の仕訳

売上金が振り込まれる際に振込手数料が引かれて入金されることはよくあることです。

この際の仕訳として、振込手数料分の金額を売上金の値引きととらえて、
売上値引」とすることも多いかと思いますが、
自社で振込手数料を負担したととらえて、「支払手数料」とすることも多々あります。

法人税の計算上は、どちらで計上しても所得の額は同じとなり、法人税額も変わりませんので、
これまでは、どちらで計上しても問題はありませんでした。
もちろん、事務処理にかかる手間もどちらも変わりません。

ところが、インボイス制度導入後は、売上値引きか支払手数料かで
事務処理の煩雑さが多少変わってきます。

まず、売上値引きとする場合には、原則、適格返還請求書を発行するという作業が必要となります。
但し、売上値引き額が税込1万円未満の場合は、
適格返還請求書の交付が免除されることになりましたので、
少額な振込手数料を売上値引として処理する場合、事務処理負担が増えることはありません。
この少額な返還インボイスの交付義務免除は、経過措置ではなく、恒久的な措置です。

一方、支払手数料とする場合は、適格請求書を入手する必要があります。
但し、一定規模以下の事業所(2年前の売り上げが1億円以下など)は、
税込1万円未満の取引の適格請求書を保存する必要はありませんので、
こちらを選んでも当面事務処理負担は増えません。
ただ、この少額特例は、恒久措置ではなく、令和11年9月30日までの時限措置です。

以上のことを踏まえると小規模な事業所であっても、
「支払手数料」ではなく、「売上値引」処理をすることをお勧めします。

SPCの事務処理をお引き受けしている当事務所も
支払手数料を使っていたSPCは、
決算期の到来したところから順次処理方法の変更を行っており、
10月までにすべてのSPCで処理方法の変更が終了しました。

煩雑な事務処理が必要なインボイス制度ですが、
時間対効果を考慮して、少しでも生産性向上ができるように
スタッフ一同心がけております。

「短期借入金」と「1年以内返済予定借入金」

「短期借入金」と「1年以内返済予定借入金」は
どちらも1年以内に返済期日をむかえる
流動負債ですが、その内容は少し違います。

中小企業では、この2つを厳密に分けて
いるところは、あまり多くはないかも
しれません。

弊社で担当させていただいております
上場会社等のSPCでは、連結決算があり
1年以内の流動負債を正確に把握するため
厳密な会計処理が必要となります。

「短期借入金」は、元々の借入期間が1年以内
の借入金です。

それに対して、「1年以内返済予定借入金」は
借入期間が1年以上の借入金のうち、1年以内に
返済しなければならないものです。

例えば、借入期間5年で1,000万円を借入れ
毎年均等に元本を200万円ずつ返済していく場合
借入時には固定負債の「長期借入金」800万円と
流動負債の「1年以内返済予定借入金」200万円
として計上します。

その後、毎年200万円ずつを「長期借入金」
から「1年以内返済予定借入金」に振替えて
いくことになります。

また、5年後に全額返済する場合は、借入4年目に
残りの借入期間が1年になる際、「長期借入金」
から「1年以内返済予定借入金」に振替えます。

大企業に限らず、中小企業においても
固定負債と流動負債を明確にすることで
予算管理に役立てることも出来ますので
該当する借入金がある場合は見直されて
みてはいかかでしょうか。

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信託会計での課税仕入取引のインボイス制度対応

2023年10月から開始するインボイス制度。
SPCが信託受益権者となり、信託会計内で
課税仕入が発生する取引は、SPCが課税仕入を
計上しております。

一方で、課税仕入取引の支払は、
信託受託者(信託銀行)が信託口座から送金し
請求者は、信託銀行宛の請求書を発行します。

この場合、受益者であるSPCは、
信託銀行宛の請求書で課税仕入を計上することに
なり、インボイス制度での適格請求書の
要件の一つである、課税仕入を計上する場合
自社(ここではSPC)宛の請求書の入手を
求めている点を満たさないことになります。

信託銀行では、信託口座内の課税仕入取引を
① 登録番号も記載ある『立替金精算書』を
 信託決算書とは別に作成し
 受益者(SPC)に交付する方法
② 信託銀行が入手した請求書の写しを信託決算書と
 一緒に交付する方法

の2つの対応方法があげられます。
① の場合、信託銀行が入手した請求書の
 登録番号や請求額等の記載する手間が発生します。
② の場合、入手した請求書を、そのまま受益者(SPC)に
 交付するので手間は少ないように思えます。

信託銀行によって、インボイス対応方法には
差がありますが、インボイス番号のチェックなど
会計事務所の手間は増えます。

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インボイス制度と不動産信託(賃料収入)

いよいよ 10月よりインボイス制度が開始します。
形の上では、消費税納付の適正化ということですが
従来 免税事業者であった者は、実質的に増税になる
ケースが多く反対する人も多いのが現状です。

実務的には、仕入控除をするには、インボイス登録を
受けた事業者から交付された『適格請求書』の入手が
必須となり、そのチェックも含めて、経理作業が増えることは
間違いありません。

SPC会計でも、一般的な事業会社と同じ対応が迫られます。
不動産信託を利用した、SPCの賃料収入と インボイス制度について
ご紹介します。

SPCが不動産信託を通じて、商業テナントから賃料収入を得る場合
テナントは賃料と合わせて、消費税を支払います。
仮に賃料が100万円で消費税10万円と合わせて、110万円を

不動産信託の場合、テナントは不動産の登記名義人である
信託銀行と締結することが一般的です。
信託銀行は、消費税を含めた賃料を受取り、信託決算での
信託配当を受益者(通常は、SPC)に支払い、賃料収入は
SPCに帰属します。(消費税法 14条

テナントから見て、賃貸人は信託銀行ですが、払った消費税は
受益者であるSPCに帰属するという形式になります。

信託銀行は形式的に賃貸人ですが、実質的にはSPCが賃貸人
ということで、インボイス制度開始後は、信託銀行はテナントに
実質的に消費税を受取るSPCの登録番号を、どのように
伝えるかという問題があります。

インボイス制度開始後は、信託銀行では、請求書に
受益者(SPC)の名称、住所、登録番号を併記した
『ハイブリッド型』の請求書をテナントに交付すると
しています。

テナントから見れば、入居している不動産の受益者が
請求書を見れば、分かるということになります。

インボイス制度の導入は、不動産信託実務にも大きな
影響を与えます。

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外国銀行と内国為替取引

担当するSPCのお客様の中には、海外の企業が
運営されているケースもございます。

運営に必要な資金は、日本に支店がある外国銀行(自国の銀行)を
メインバンクとして決済を行っていますが、日本国内での
資金移動(内国為替取引)においては、手続きが少し異なります。

日本では、「全国銀行データ通信システム」という決済方法を利用して
他行への振込や送金取引を行っており、このシステムを利用するには、
「全国銀行内国為替制度」に加盟する必要があります。

日本のほとんどの金融機関は、この制度に加盟しているのですが、
外国銀行がこの制度に加盟していない場合、加盟している銀行を
中継する形で資金精算が行われます。

実際、こちらの企業がメインバンクとしている外国銀行も
この制度に加盟していない為、加盟している日本の銀行に
外国銀行の名義で顧客毎の口座を開設しています。
顧客の取引についてはその口座を経由して資金の精算が
行われるため、振込依頼人へお伝えする振込先口座の名義人は
外国銀行の口座となります。

外国銀行の口座へ振り込まれた後、外国銀行に開設している
各顧客の口座で精算が行われます。
振込依頼人にとっては、振込先口座の名義人が相違しているため、
疑問に思われます。
その為、外国銀行が発行する、その旨を明記した説明文書を入手し、
振込依頼人へ提出する必要があります。

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太陽光発電所の保険料

担当している太陽光発電所のSPCでは
火災保険や賠償責任保険に加入しております。

今年も保険の更新時期となりましたので
例年どおり、代理店を通して2~3社へ
見積りを依頼いたしました。

しかし、太陽光発電所の保険料は
年々高額となっております。

これは、太陽光発電所での事故や故障
また盗難が多発していることにより
保険料が高額になっているようです。

先般、こちらのブログでも太陽光発電所での
ケーブルの窃盗事件のお話がございましたが
担当の発電所でも、窃盗に限らず、落雷等の
気象の影響での故障により、発電所が停止し
修理や売電補填などの保険料を受け取ったこと
が何度かございます。

昨今の状況から、太陽光発電所の保険自体を
引き受けてくれる保険会社も年々減ってきており
見積りを出していただける保険会社も限られます。

そのような状況から、今年の保険更新でも
前年度と比べ、かなり高額の保険料での契約と
なりました。

もちろん契約内容にもよりますが、発電所の
事業において、保険契約は必要なものですので
安心を得るためにも仕方がない経費かと思います。

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居住用賃貸不動産(レジ)SPC案件での仮払消費税の損金処理(法人税法上の扱い)

レジ案件のSPCの場合、課税売上割合が10%を切ることが多くあります。
その場合、仮払消費税が全額損金に算入できないことに
注意が必要です。

通常、消費税の納税額は、仮受消費税から仮払消費税を控除して求めます。
しかし、レジ物件を購入した場合は
①レジ物件の建物取得に係る仮払消費税は、取得時に仕入控除出来ない。
②ローン手数料結を長期前払費用のように資産計上した時の仮払消費税は、
課税売上割合を乗じた額に限定され全額控除出来ない。

この結果、仮受消費税から控除できない仮払消費税(控除対象外消費税)が発生します。
控除対象外消費税は、全額その年の損金に算入できる場合とできない場合があります。
例えば、資産を購入した時に支払った控除対象外消費税をその年の損金に算入するには
次の条件をクリアする必要があります。

1. 課税売上割合が80%以上であること
2. 対象の資産が棚卸資産であること
3. 1つの資産に係る控除対象外消費税額が20万未満であること

以上の条件のすべてに当てはまらない場合は、
控除対象外消費税を『繰延消費税額等』として資産計上し、
60ヶ月(年間12ヶ月)で償却します。(ただし初年度は2分の1の6ヶ月分)

レジ案件のSPCの場合は、売上げのほとんどが消費税非課税の住宅賃料収入で、
課税売上割合が80%に達することはなく、
消費税額が20万円以上の資産(つまり税抜価格200万円以上の資産)を購入した場合、
繰延消費税を計上しなくてはならなくなりますので、注意が必要です。

繰延消費税を計上した場合は、法人税申告書の別表16(10)を作成し、
当期の損金算入限度額を超えて損金にしていないかを申告します。

なお、税込経理をしている場合は、控除対象外消費税の問題は発生しません。

根拠法令
消法30、法令139の4、法規28、所令182の2、所規38の2、平元.3直法2-1、平元.3直所3-8外



太陽光発電所内でのケーブル盗難に対する保険金支払い

先日、担当先の再生可能エネルギーSPC発電所において、
ケーブルの盗難が発生いたしました。
現地の業務委託会社が定期検査実施の際に被害が発見され
報告を受けました。

近年、太陽光発電所内でのケーブ盗難事故が全国的に
多発しており、夜間に人の目が届かない場所で、中規模から
大規模の発電設備に被害が多く見受けられるそうです。

ケーブルが狙われる理由として、銅製で換金しやすく高価であること。
パネルの様に重さもなく運搬が簡単であること。
パネルにはシリアルナンバーがありますが、ケーブルには
それが無いので転売時に発覚しにくいという点があげられます。

当発電所内でも、昨年、一度目の被害が発生し防犯設備の対策を
講じている最中に、今年、二度目の盗難が発生いたしました。
最初のケーブル被害では、60m程でしたが、2度目は、900mと
被害が大きく、その分、復旧工事費用も工事に係る日数や人件費も嵩みます。

一度目のケーブル被害の実損分として60万円が、営業補償として
180万円が保険金として支払われる予定です。
二度目の被害に対する保険金の支払いは未定ですが、被害状況
からみても多額になる見込みです。

復旧工事が完了するまでは、発電供給量が低下し事業者にとっては
大きな損失となります。
また、近隣住民の防犯に対する懸念も大きくなり、今後、
新規発電所設営に対する不安要素となる可能性もあります。

防犯対策の強化と保守運営双方の対応が必要です。

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不動産信託での登録番号等の通知

SPCスキームでは、不動産信託を利用するケースがあります。

通常、SPCが不動産信託受益権者(以下、『受益者』)として、
賃貸収入等の課税取引をします。賃貸契約はテナントと信託
銀行(または信託会社)との間に締結し、信託銀行がテナントに
消費税を含めた賃料を請求します。

信託銀行は、受取った賃料等を含めた損益を『受益者』に
信託配当として支払います。

不動産信託では、信託銀行が受取った賃料は、『受益者』である
SPCに帰属します(消費税法 第14条)。

消費税を含んだ賃料等を支払うテナントは、仕入控除をするには、
経済的に賃料が帰属する『受益者』の登録番号等を確認する必要があります。

そのため、信託銀行が、テナントに交付する請求書や賃貸契約書、
覚書等に、『受益者』の名称と登録番号を伝えるなどの対応が必要となります。
 
そのため、『受益者』であるSPCは、インボイス登録を受けておく必要があります。

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