太陽光発電事業者への出力制御

顧問先のSPCは、関東地方において太陽光発電所を
運営しています。

先日、東京電力パワーグリッド(株)より、出力制御に
関する案内書類が届きました。

2021年4月より電気事業者による再生可能エネルギーの
調達に関する特別措置法施行規則が一部改正された事に
伴い、固定価格買取制度(※FIT)電源においても、発電出力の
制御を行うという趣旨の内容でした。

認定出力が500KW以上の太陽光発電設備のFIT電源に
ついては、供給量が需要量を上回るような、出力制御が
必要とされる場合には、東京電力パワーグリッド(株)からの
連絡に基づき、現地にて停止・発電の操作を行います。

出力制限には、優先給電ルールが決められており、
火力発電→バイオマス発電→太陽光・風力発電→
水力・原子力・地熱発電の順となっています。

今のところ、東京電力管内での実施時期は、未定ですが、
実施に向け、発電事業者が体制を整えるための準備期間と
なっています。
この出力制御ですが、九州電力では既に2018年に日本で
初めて実施されています。

東京都は、大手住宅メーカーに対し新築住宅への
太陽光発電義務化を検討していることが物議を醸しており、
最近の電力不足事情とは、相容れない政策とも思えます。

※FIT
経済産業省が2012年に開始した再生可能エネルギーの
「固定価格買取制度」。一定期間の価格が保証されているので、
事業者が新規に参入しやすい環境をつくる為に導入。

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SPC発電設備の固定資産税軽減措置

担当しておりますSPCのひとつに
発電事業を手掛ける事業所がございます。

そちらの事業所ご担当者様より
固定資産税軽減措置について
お問い合わせがございました。

再生可能エネルギー発電設備を取得した事業者を対象とした
『再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置(固定資産税)』
という制度がございます。

こちらは、太陽光発電、風力発電、地熱発電、
中小水力発電、バイオマス発電(2万kW未満)を対象とした
再生可能エネルギー発電設備取得に対し、
固定資産税が課せられることとなった年度から
3年分の固定資産税に限り、課税標準を軽減する制度です。
(2020年4月1日から2022年3月末日までの間に対象設備を取得が条件)

この制度に該当して軽減措置を受けているかというお問い合わせでした。

該当の事業所は償却資産申告を電子申告で行っています。
申告の際に上記の『特例適用申請書』を添付して申告致しておりました。

念のため、市役所の税務書に問い合わせしたところ
申請受付済であり提出から3年間軽減措置が適用されるとのことでした。

電子で提出した場合申告書の受付控え等は
通常特には返送されないようでしたが
今回は特別に受付印を押印した申請書控えをお送り頂くこととなりました。

再生可能エネルギー発電設備には軽減措置のあるものとないものがあり
申告時にはその判定をして正しい対応が求められております。

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信託の課税区分

担当するGK-TKスキームで不動産信託受益権取得後、
最初の決算期を迎え、取得した稼働済みのホテルの
不動産信託受益権に係る消費税還付の申告を行いました。

申告後に税務署より連絡があり、今回の課税仕入れについては、
『法人課税信託』ではないかとの指摘があり、受益者であるGKは、
消費税還付を受けられないのではとのコメントがありました。 
その理由としては、『平成19年度 信託税制の改正のあらまし』
5(8)の法人課税信託を挙げていました。

今回、会社が保有した不動産信託受益権は、不動産管理処分信託
契約に基づくもので、不動産信託契約に該当します。
不動産の所有者が委託者となって受託者に不動産を信託し、
受託者は受益者のために不動産の管理処分を行い、
そこから生じる利益を受益者に交付することを合意する契約
ですので、『受益者等課税信託』にあたります。

不動産信託では、『受益者』、『委託者』、『受託者』の3者が
存在し、それぞれがどの会社であるか混同する事があります。
恐らく、ご担当者は『受益者』と『受託者』を混同し、いわゆる
GK-TKスキームを『法人課税信託』、つまり、『受託者』である
信託銀行が主体となるものと誤解されていたように思われます。

東京では、GK-TKスキームの件数も多く、スムーズな対応に
なるかもしれませんが、大阪では件数も少なく、このような事も
発生しています。

ただ、数回の書類のやり取りで、正しくご理解いただき、
無事に還付手続きも完了しました。

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匿名組合契約での損益分配の端数の取扱い

担当しておりますSPCでは
四半期毎に損益分配をする契約となっております。

損益分配とは事業により
生じた利益または損失を
出資者である匿名組合員に分配することです。

各出資者に分配される金額は
出資金額割合によって案分しますが
その計算時に、1円未満の端数が出ます。

その端数の扱いは匿名組合契約で決定します。

担当する案件では
1円未満の端数は
切り捨てると定めております。

すると各出資者に分配する
損益分配の合計額と損益分配金額に
全体端数分の差異が出ます。

その端数差異は契約では
出資額上位者に分配すると定めております。

このように損益分配時における
端数の取り扱い方は
匿名組合契約に基づき
取り扱いが異なりますので
各案件に応じて契約書を十分に読み込むことが大切です。

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不動産会社の事業戦略とSPC

不動産会社の事業には、大きく分けて2種類のものがあります。

① 仲介手数料、建物管理報酬等のフィービジネス

② 不動産を開発して販売したり、自己保有物件を売買することで売却益を得るビジネス

があります。

①の場合、借入金等は無くても自己資金だけでも出来ます。

②の場合、まとまった資金が必要なので、借入が必要となります。

一般的な会社は、①と⓶のビジネスを1つの会社で混在させて行っているケースが

多くあります。その結果、①で得た手数料収入を、不動産投資に回すなどして

①と⓶のビジネスで資金が混在して利用することになります。

その結果、自転車操業が蔓延化し、安定した経営が出来ていない会社もあります。

SPCは不動産投資をプロジェクト毎に分けることが出来て

投資不動産から得る資金を直接他のプロジェクトや事業に

転用出来ません。

そのため資金の流れが明確になり、上述のような資金が混在することが

なくなります。

不動産会社が継続して、安定成長をするには、不動産投資資金と

手数料等のフィービジネス収入を分けて管理出来るか否かが

ポイントとなります。

そのために、SPCを利用し資金管理の透明性を

確保しようとすることもあります。

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不動産特定共同事業法(任意組合スキーム)

弊事務所の取扱い案件をご紹介します。

不動産特定共同事業法で、組合出資をするスキームを
弊事務所が担当しております。

こちらのスキームでの投資商品が、今月の日経新聞で
広告に掲載し、投資家を募集されていました。

こちらの不動産特定共同事業法による任意組合スキームは
投資家が、特定の不動産を共有する仕組みです。

組合全体の決算書を作成し、各投資家(組合員)は
持分(例 1/100)を自分の所得として、取り込みます。

毎年一定の分配金も発生し、相続財産とする場合、おおよそ
50%程度に、財産評価を圧縮できるという節税効果も
期待できる商品です。

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任意組合とインボイス制度

弊事務所(淀屋橋総合会計)では、法人であるSPCだけでなく
任意組合の経理業務(事務管理業務)も担当しております。

具体的には、商業施設の複数の所有者(オーナー)が構成員の
任意組合の経理業務です。

具体的な組合名は、お伝え出来ませんが、マンションの管理組合の
組合員が、複数の事業者で構成されているものです。

この任意組合も2023年10月から開始する消費税の
インボイス制度の影響を受けます。

弊事務所が担当しているに任意組合は、商業施設のオーナーのため
賃料には、消費税を上乗せして、テナントに請求しております。

一方で、任意組合自身は、消費税納税義務者でないため
消費税申告はしておりません。つまり、免税事業者なのです。

現行の制度では、免税事業者でも、取引先に対して、消費税を
上乗せして、請求することに、何ら支障はありませんでした。

インボイス制度が開始すると、免税事業者は、適格請求書(登録
番号等が付された請求書)を発行することは出来ません。

そのため、取引先には、当任意組合が免税事業者であることは、分かって
しまい、更には、取引先は、従来、任意組合に支払った消費税を
仕入税額控除(消費税の申告計算で、控除する)していたところ
2023年10月以降は、控除額が制限され、その6年後には、全く控除
出来なくなります。

そして、取引先は、免税業者である任意組合に対して、消費税の
上乗せについて、反論等されることが予想されます。

もちろん、インボイス制度が始まっても、任意組合は、賃料に
消費税を上乗せして、請求しても構いません。ただ、テナントから
上記のような申出は、予想されます。

なお、任意組合はあらゆる場合で、免税事業者になるわけでは、
ありません。組合員全員が、課税事業者である場合は、
任意組合が、インボイス登録をすることが可能です。

大規模な工事等で、複数の建設会社が、JVを組んだ場合の
組合は、組合員全員が課税事業者でしょうから、そのような場合は
任意組合もインボイス登録をして、適格請求書を発行することも
可能です。その場合でも、一定の届出が必要です。

このように、インボイス制度が与える経理現場への影響は
かなり幅広いものと予想されます。

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指図書のクラウド化

会計事務所の世界に限りませんが、クラウド化が進展しつつあります。
昨今での、AM会社への指図書発行要請は、クラウド上で行うことが
主流になりつつあります。

クラウド化することで、電子メールの時と異なり、情報の共有することが
出来て、進捗状況も、関係者が、リアルタイムで把握することが
出来ます。

また、指図書発行の履歴や、添付書類とも、保存することが出来て
後日、振返って確認することも容易です。

昨今の在宅勤務推奨する経済環境では、クラウド上の指図書であれば
在宅勤務中でも確認が可能です。

しかし、会計事務所が行う指図の内容は、
⓵ 書類等への押印
② 送金手続き
がほぼ、全てと言って良いほどで、これらの作業は、在宅勤務中に
することが出来ないです。

指図書のクラウド化と、在宅勤務を推し進めるためには
在宅勤務者と事務所勤務者との連携が非常に大切で、この連携が
機能することで、この便利な機能を、上手に使いこなせることに
なります

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2020年10月~ 賃貸住居建物消費税 仕入控除制限

ご承知の通り、昨年2020年10月以降に、賃貸している
住居用不動産の建物取引に伴う消費税は、購入者は
仕入控除出来なくなりました。

この改正は、いわゆるレジ系の不動産ファンドにも大きく
影響を与える改正です。

仮にSPCが課税事業者として、賃貸住居不動産の建物
購入時に支払う消費税は控除(還付)出来なくても、同建物を
売却時に預かる消費税は、全額納付することになります。
(簡易課税は選択しないことを想定)

不動産投資では、利回りを計算しますが、この建物消費税の
を購入時には控除出来なくても、売却時には全額納付すると
相当のキャッシュのマイナスになり、利回りにも影響を
します。

このような税負担を軽減する方法として、2つご紹介します。

① 購入時から3年以内(正確には購入時の消費税の課税期間から
3年以内など、少し複雑な計算がありますが・・・)に、売却する
場合、購入時に支払った消費税の一定割合(『保有期間と売却時の
課税売上』を『同期間の非課税売上と課税売上の合計』で割った割合)を
乗じた額を仕入控除する。ポイントは、3年以内に売却することです。

⓶ 消費税の免税制度を有効に利用して、保有期間中の年間課税売上を
1000万円におさめることで、SPCを永続的に、免税事業者にします。
そうすることで、売却時に預かる消費税を納税する必要がなくなります。
ただし、この制度は、インボイス制度が始まると使えない方法です。
 なぜなら、インボイス制度が本格的に始まると、免税業者が、不動産
売却時に、消費税を預かることは出来なくなります。

商業用不動産やオフィス系不動産では、上記のような論点は出てきませんが
住居系賃貸不動産では、消費税の扱いに、注意が必要です。

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SPC案件での不動産の取得価格

SPC案件で、案件租税時には、様々な費用が発生します。
会計士費用、弁護士費用、司法書士費用、ローン手数料
不動産鑑定費用、ER(エンジニアリングレポート)費用
不動産調査費用、仲介手数料など様々です。

これらの費用について、不動産の取得価格に含めるかは
1つの論点です。

税務上は、不動産の売買代金と仲介手数料、固都税の精算が
あれば、その精算代金は、取得価格に含むことを求めております。

実務上は、比較的大きな金額になるローン手数料や、弁護士費用を
不動産の取得原価に含めるか、長期前払費用等で、繰延処理
するケースが多くあります。

特に、複数の投資家が存在する案件では、配当を多くするため
取得原価を税務上のものより広く集計し、費用化するタイミングを
建物の耐用年数等に伸ばすケースも多くあります。

SPCが会計監査を受けているケースでは、この不動産の取得価額が
論点になるケースもあり、取得価格の範囲については、会計監査を
担当する会計士と、相談の上、進めることが、望ましいと思います。

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