太陽光発電所の減価償却費の見直しについて

担当しておりますSPCに太陽光発電所が
ございます。

こちらの発電所は、かなりの売電収入が
ありますが、発電設備も大きいため減価
償却費が大きく、売電開始後も赤字が
続いておりました。

そこで、今期より発電設備の減価償却費を
見直すこととしました。

通常、太陽光発電設備のパネル等の機械設備
の耐用年数は税法上17年と定められています。

また、機械設備の減価償却は、通常定率法が
用いられます。

しかし、発電事業を行うSPCでは、定率法では
当初の償却費が非常に大きくなるため、定額法
で届出し、償却していくことが多く、こちらの
SPCでも、定額法を採用しております。

減価償却費は、税務上の償却限度を上限とし
任意に計上することができますので、こちら
のSPCでは、十分な設備メンテナンスをしており
税法の耐用年数17年以上でも使用が可能と判断し、
耐用年数を見直すことで、減価償却費が減額され
黒字化しました。

但し、減価償却費を減額した場合、借入を
している銀行等より、耐用年数が長期化するなど
償却費が減少する理由についての説明
を求められることがあります。

ですので、減価償却費を見直す場合には
『法定耐用年数より、実際の設備の劣化が
遅いため、耐用年数を見直した』等の理由と
『良好なメンテナンス状況や、設備の残存耐用年数等を
示す資料』をあらかじめ準備しておく必要があります。

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SPCの資金管理

すべての案件ではありませんが、ほとんどの案件で、SPCの預金口座の管理は、
事務管理会社である当事務所で行っています。

通帳、印鑑を所内で保管し、AM会社の発行する「送金指示書」等に基づき、
弊所担当者が送金、納税、資金移動などの手続きをします。

SPCには、通常、従業員がおりませんので、
全ての業務を外部委託で行う必要があるため事務管理会社が必要になる
という理由もありますが、資金の流れを透明化するという意味合いでも
資金移動決定者(AM会社)、資金移動許可者(レンダー等)、資金移動手続者(事務管理会社)
が相互にチェック機能を働かせて資金管理をすることが必要となります。

送金指示書には、
送金先口座情報、送金日、送金額、送金理由、送金元口座情報などが記載されています。

最近のペーパレス化の流れがSPCの運営にも来ており、
クラウド上で指示書を受け取ることも増えてきています。

送金手続きも、以前は、銀行窓口に出かけることも多かったのですが、
現在は、ほぼすべてをインターネットバンキングでできるようになっています。

IT化が進むにつれて事務管理会社の在り方も今後ますます変化していくのかもしれません。

SPCの資金管理と銀行口座

プロジェクトファイナンスの為、利用されるSPCの預金口座は
その目的に応じて、
①プロジェクト口座
②リザーブ口座
③リリース口座
④営業者口座
などの口座を開設します。

プロジェクト口座は、案件によっては
メイン口座、信託配当受取口座、事業用口座など
様々な名称が使われますが、プロジェクトでの資金
異動で、最も頻繁に使われる口座です。

一方、一定の資金を留保する、例えば
元利金の返済資金、固定資産税の納税資金
修繕等の資金などを留保するため
留保資金を貯めておく、リザーブ口座を開設することもあります。

リリース口座は、プロジェクトでの資金収支の残余分を
エクティ出資者への配当や、AM会社へのAMフィーの支払いなどに
充当するため、プロジェクト口座からの移動資金を
受取る口座です。

資金の流れは、プロジェクト口座で受け取った資金が
リリース口座に流れるという順序です。

リザーブ口座には、プロジェクト開始時に一定額を
留保しておき、不足が出れば、プロジェクト口座から
補填されることが一般的です。

最後に、営業者口座ですが、これは、
①法人税等の納税のため
②匿名組合契約により、営業者報酬の授受のため
使われます。

これらの預金口座の使い方のルールは、ローン契約や
プロジェクト契約等に記載されていることが、一般的です。

SPCでのプロジェクトファイナンスでは、資金の流れに
透明性を持たせるため、このように複数の銀行口座を
一定のルールに従って、利用することがあります。

このように複数口座を利用する案件は、キッチリした案件が
多く、一つの銀行口座しか持たず、全ての収支を、1つの
銀行口座を行う案件もあります。

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匿名組合出資者間の異動時の事務対応

担当しておりますSPCでは
四半期毎に匿名組合出資者へ
損益分配をする契約となっております。

各出資者に優劣がない場合
損益分配額は『匿名組合出資金額割合』に
応じて分配されます。

出資者に匿名組合出資金額の異動が
あると損益分配額にも影響があります。

『匿名組合出資金額割合』が変更になるためです。

以前該当期に匿名組合出資金額の
異動があった旨のご連絡をタイムリーに頂けず
四半期決算締め後に
各出資者への損益分配額を
訂正したことがございました。

遠隔地にあるSPCであったうえ
出資者間の異動は会計処理に表れず
把握出来ないことがあります。

その後は匿名組合出資金の異動を確認するために
四半期毎に事業所ご担当者様に
匿名組合出資者名簿の
ご提出をお願いしております。

会計事務所とSPC
そしてその管理担当者との
コミュニケーションは
適切な会計事務を進めるには
大切なことと思います。

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新規設立法人の事業開始日と均等割

5月下旬に新規でSPCを設立いたしました。

こちらの法人は、設立日と事業開始日が同日
ですが、法人によっては、事業開始日が翌月
以降になることがあります。

今回は、設立日と事業開始日が異なる場合の
届出と法人府民税と法人市民税の均等割に
ついて、お話したいと思います。

大阪の場合は、法人府民税も法人市民税も
均等割は設立日からではなく、事業開始日
からで計算することになります。

設立日と事業開始日が異なる場合、府・市ともに
設立届出で事業開始日欄に実際に事業を開始する
日を記載して提出します。

しかし、この欄は「事業開始(見込)年月日」と
なっておりますので、大阪市では、設立届の備考に
「何年何月何日事業開始」と明記して欲しいとの
ことです。

法人府民税・市民税の均等割は、1ヶ月に満たない月
は切り捨てとなりますので、大阪の場合、5月末に
設立し、事業開始日が6月2日以降になる場合は
5月の均等割負担はありません。

但し、すでに設立届を提出した後に事業開始日が
変わった場合は、府、市いずれも異動届の提出が
必要となりますので、ご注意ください。

東京都ではこのような扱いはなく
自治体によっては、事業開始日に関わらず
設立日から均等割が発生するところもありますので
該当する法人を設立した際には、それぞれの自治体に
確認が必要です。

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特定目的会社の配当の損金処理(匿名組合スキームとの違い)

特定目的会社(以下、TMK)も、匿名組合スキーム(以下、GKーTK)を
使う会社と同様に、利益の大半を分配する『導管性』の機能がありますが、
GK-TKとTMKでは、仕組みや損失の扱いに違いがありますので、
今回はその点をご説明いたします。

①TMKは、申告書作成時に配当金が減算される。
 GK-TKの場合は、獲得した利益の大半を
 会計期間終了時に分配金として、出資者に分配しますので、
 税引前当期純利益が、ちょうど法人税等を支払える程度の
 少額になります。➡パススルー制度

 対してTMKは、決算書上の税引前当期純利益は、
 通常の株式会社と同じように計算した利益が計上されます。
 その後、社員総会(株式会社での株主総会)時に、配当額が決定されます。
 そして、税務申告書作成時に別表10(8)を作成し、
 課税所得から減算できる配当金額を計算します。
 (通常は、減算可能な範囲で配当を行う)
 通常の会社では出来ないことですが、TMKの配当金は
 損金算入されます。
 ➡ペイスルー制度

②TMKは、損失の分配はできない。
 以前、「匿名組合の損益分配」でご説明したように、
 GK-TKは、損失の分配をすることもできますが、
 TMKは、利益の配当しかすることができません。
 また、繰越損失がある場合は、
 今期の利益から繰越損失の額を控除した額しか配当することができません。
 (GK-TKは、損失も分配(➡パススルー)しますので、
 基本的には繰越損失は発生しません)

 なお、TMKは資本金が1億円超でも大会社のような
 繰越損失の利用制限はありません。
 

TMKの方が納税額(均等割)が多くなる傾向がある。

 TMKでも、GK-TKでも、投資家から資金を集めますが、
 匿名組合出資という形での出資を受けるGK-TKと違い、
 TMKは、投資家からの出資金は、資本金となりますので、
 利益の額にかかわらず、資本金の大きさによりかかってくる
 均等割の額が大きくなってしまうため、
 少額の納税で済むGK-TKに比べると
 TMKの納税額は大きくなる傾向にあります。
 
 なお、TMKは、資本金が1億円以上でも、外形標準課税はされません。

 今回は、TMKの配当を
 GK-TKの分配金との違いという観点でご説明いたしました。
 機会があれば、TMKの配当が非課税になる条件などについても
 いずれお話しします。


内容TMKGK-TK
導管性ペイスルーパススルー
繰越損失翌期利益から全額控除可基本的に発生しない
法人税等多額になる傾向最低額で収まるケースが大半

GK-TKでの営業者報酬とは

GK-TKスキームでは、匿名組合(TK)契約で
営業者報酬という項目が出てきます。
この営業者報酬とは、匿名組合の経理で
匿名組合が、営業者(=GKの内部 部門)に
支払う一定の金額です。

GK全体の決算書では、営業者報酬は
TK部門と営業者部門の合算で、相殺され
表示されることはありませんが、TK決算書では
営業者報酬というものが、費用項目として
出てきます。

この営業者報酬とは、何の報酬かと言えば
匿名組合を維持するため、税務申告等をする
営業者に対して、支払う報酬です。

一般的には、年間15万円程度にしているケースが
大半です。

営業者報酬の水準が高いと、TK部門の利益が圧縮され
TK出資者へ付け替えられる利益相当額(=パススルー額)が
小さくなり、GK全体に残る利益は大きくなります。

そのため、営業者報酬を、必要以上に高くすると
GK(=SPC)の利益増えるため、法人税負担が増加します。

営業者報酬は、いくらくらいが適当かと言えば
年間15~20万円程度が適当と思います。

今まで、弊事務所が経験した案件では、『営業者報酬は
法人税相当額』というものがありました。
営業者報酬が決まれば、分配利益、引いては税前利益が
確定します。『営業者法主が法人税相当額』では
法人税額も決めることが出来ず、永遠に決算作業が
終わらないようにも思えます。

このようなケースでは、営業者報酬と法人税額が
ほぼ、一致するような水準に決めて、TK決算を
組むようにしました。

通常、営業者用の銀行口座を開設し、営業者口座は
匿名組合部門から営業者報酬を受取、資金年の入金を受け
法人税を営業者口座から、納付します。

一方で、GK内に、営業者口座を設けていない案件も
あります。このような案件では、営業者と匿名組合との
区分が曖昧なものが多い印象です。

営業者報酬は、GK-TKスキームでの独特の
取引で、GK全体の決算書では、出てこない項目で
GK-TKスキームでの独特の、取引かと思います。

ただ、営業者報酬は、営業者という考え方が
GK-TKスキームを理解する上では、大切な
ものの1つです。

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太陽光発電事業者への出力制御

顧問先のSPCは、関東地方において太陽光発電所を
運営しています。

先日、東京電力パワーグリッド(株)より、出力制御に
関する案内書類が届きました。

2021年4月より電気事業者による再生可能エネルギーの
調達に関する特別措置法施行規則が一部改正された事に
伴い、固定価格買取制度(※FIT)電源においても、発電出力の
制御を行うという趣旨の内容でした。

認定出力が500KW以上の太陽光発電設備のFIT電源に
ついては、供給量が需要量を上回るような、出力制御が
必要とされる場合には、東京電力パワーグリッド(株)からの
連絡に基づき、現地にて停止・発電の操作を行います。

出力制限には、優先給電ルールが決められており、
火力発電→バイオマス発電→太陽光・風力発電→
水力・原子力・地熱発電の順となっています。

今のところ、東京電力管内での実施時期は、未定ですが、
実施に向け、発電事業者が体制を整えるための準備期間と
なっています。
この出力制御ですが、九州電力では既に2018年に日本で
初めて実施されています。

東京都は、大手住宅メーカーに対し新築住宅への
太陽光発電義務化を検討していることが物議を醸しており、
最近の電力不足事情とは、相容れない政策とも思えます。

※FIT
経済産業省が2012年に開始した再生可能エネルギーの
「固定価格買取制度」。一定期間の価格が保証されているので、
事業者が新規に参入しやすい環境をつくる為に導入。

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SPC発電設備の固定資産税軽減措置

担当しておりますSPCのひとつに
発電事業を手掛ける事業所がございます。

そちらの事業所ご担当者様より
固定資産税軽減措置について
お問い合わせがございました。

再生可能エネルギー発電設備を取得した事業者を対象とした
『再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置(固定資産税)』
という制度がございます。

こちらは、太陽光発電、風力発電、地熱発電、
中小水力発電、バイオマス発電(2万kW未満)を対象とした
再生可能エネルギー発電設備取得に対し、
固定資産税が課せられることとなった年度から
3年分の固定資産税に限り、課税標準を軽減する制度です。
(2020年4月1日から2022年3月末日までの間に対象設備を取得が条件)

この制度に該当して軽減措置を受けているかというお問い合わせでした。

該当の事業所は償却資産申告を電子申告で行っています。
申告の際に上記の『特例適用申請書』を添付して申告致しておりました。

念のため、市役所の税務書に問い合わせしたところ
申請受付済であり提出から3年間軽減措置が適用されるとのことでした。

電子で提出した場合申告書の受付控え等は
通常特には返送されないようでしたが
今回は特別に受付印を押印した申請書控えをお送り頂くこととなりました。

再生可能エネルギー発電設備には軽減措置のあるものとないものがあり
申告時にはその判定をして正しい対応が求められております。

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SPCで建設したホテルの減価償却の開始時期

担当しておりますSPCでホテルが竣工
いたしました。

ホテルの完成引渡を受けて、建物等の資産を
取得し、減価償却を開始します。

こちらのホテルは、1月末の完成引渡日より
テナントと賃貸契約を締結し、賃貸を開始
いたしました。

しかし、賃料の起算日は、賃貸開始日より
1ヶ月半後の3月中旬、さらに、ホテルの
開業日は、その後の4月初旬となりました。

引渡から開業日までは、備品等の搬入を行い
試泊により、宿泊客を迎い入れ、アンケート
を取ったり、PR活動を行うなり、宿泊業務を
開始しておりました。

減価償却は、「事業の用に供した日」から開始
することになりますが、こちらのSPCのように
既述のとおり、賃貸開始日(1月)、賃料起算日
(3月)、開業日(4月)が異なっている場合、
償却の開始日はいつになるのでしょうか。

国税庁のHPには、「事業の用に供した日」とは
「一般的にはその減価償却資産のもつ属性に従っ
て本来の目的のために使用を開始するに至った日」
と記載があります。

こちらのSPCは「ホテルを建設し、賃貸する」
ことが本来の目的で、ホテル開業前に賃貸は開始
しております。そのため資産であるホテルの賃貸
を開始した「1月」より、減価償却を開始すること
になります。

このように「事業の用に供した日」はホテル所有
者(SPC)とホテルオペレーター(運営者)では
その開始日の扱いが異なり「賃貸の開始」に基づ
いて判断します。

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