匿名組合の損益分配

GK-TKスキームでは、
投資家は、直接資本金を出資するのではなく、
匿名組合出資という形で出資をします。
少額の資本金を出資して作ったGK(合同会社)の中に
匿名組合出資を受けてつくられたTK(匿名組合)という
部門を作成するスキームです。

GK-TKの合同会社は、『匿名組合部門』と『営業者部門』の
2つで構成されます。

『匿名組合部門』は、『事業を行う部門』であり、
投資対象の不動産や発電所に投資をして収益を得る
という経済活動を行います。
『営業者部門』は、『本社部門』であり、その活動は、
匿名組合から営業者報酬を受け取り、法人税の支払いをするなど限定的です。
(営業者報酬に関しては、こちらをご覧ください)

GK-TKスキームで生じた利益は、匿名組合出資者に帰属し、
資本金の出資者ではなく、匿名組合出資者に損益が分配されます。
これは、法人税法基本通達14-1-1
組合等に営まれる事業から生ずる利益額・損失額は
各組合員に直接帰属すると定められていることによります。
(組合員というのは、匿名組合の出資者です。)

利益の一部を配当金として株主還元し、一部は内部留保する株式会社とは異なり、
匿名組合出資の場合、法人税等を支払うための営業者報酬を除き、
大半の損益が出資者に分配されます。
利益が出たときだけでなく、損失が出たときもその損失の額が分配されます。

分配といっても必ずしも金銭の移動が行われるわけではありません。
現実には利益の金銭分配を受けたり、損失の金銭負担をしていない場合であっても
匿名組合出資者が法人税の計算する時に、
分配された利益額・又は損失額を算入して課税所得の算出します。
法人税法基本通達14-1-3による)

つまり、利益を分配された組合員は、分配金を益金に算入するので、
分配金の額だけ課税所得が増加し、
損失を分配された組合員は、分配金の額だけ課税所得が減少します。
ただし、租税特別措置法第67条の12で、
算入できる損失額は、出資額が上限であると定められており、
法人税申告書の『別表9(2)』という表で
損金算入額が出資額を超えていない旨の状況を
税務署等に報告することになっています。

一方、損益分配をした合同会社の方もその分配額を
法人税申告時の益金や損金にすることができますので、
法人税が2重に課税されることがありません。
(パススルー税制)

この点は、法人税を支払った後の利益を分配する株式会社とは
大きく異なります。

このように、匿名組合出資に係る税制や法人税申告書は
一般的な会社とは大きく異なります。

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 税理士法人 淀屋橋総合会計
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信託の課税区分

担当するGK-TKスキームで不動産信託受益権取得後、
最初の決算期を迎え、取得した稼働済みのホテルの
不動産信託受益権に係る消費税還付の申告を行いました。

申告後に税務署より連絡があり、今回の課税仕入れについては、
『法人課税信託』ではないかとの指摘があり、受益者であるGKは、
消費税還付を受けられないのではとのコメントがありました。 
その理由としては、『平成19年度 信託税制の改正のあらまし』
5(8)の法人課税信託を挙げていました。

今回、会社が保有した不動産信託受益権は、不動産管理処分信託
契約に基づくもので、不動産信託契約に該当します。
不動産の所有者が委託者となって受託者に不動産を信託し、
受託者は受益者のために不動産の管理処分を行い、
そこから生じる利益を受益者に交付することを合意する契約
ですので、『受益者等課税信託』にあたります。

不動産信託では、『受益者』、『委託者』、『受託者』の3者が
存在し、それぞれがどの会社であるか混同する事があります。
恐らく、ご担当者は『受益者』と『受託者』を混同し、いわゆる
GK-TKスキームを『法人課税信託』、つまり、『受託者』である
信託銀行が主体となるものと誤解されていたように思われます。

東京では、GK-TKスキームの件数も多く、スムーズな対応に
なるかもしれませんが、大阪では件数も少なく、このような事も
発生しています。

ただ、数回の書類のやり取りで、正しくご理解いただき、
無事に還付手続きも完了しました。

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匿名組合契約での損益分配の端数の取扱い

担当しておりますSPCでは
四半期毎に損益分配をする契約となっております。

損益分配とは事業により
生じた利益または損失を
出資者である匿名組合員に分配することです。

各出資者に分配される金額は
出資金額割合によって案分しますが
その計算時に、1円未満の端数が出ます。

その端数の扱いは匿名組合契約で決定します。

担当する案件では
1円未満の端数は
切り捨てると定めております。

すると各出資者に分配する
損益分配の合計額と損益分配金額に
全体端数分の差異が出ます。

その端数差異は契約では
出資額上位者に分配すると定めております。

このように損益分配時における
端数の取り扱い方は
匿名組合契約に基づき
取り扱いが異なりますので
各案件に応じて契約書を十分に読み込むことが大切です。

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電気供給事業SPCの為替差益

私どもでは、太陽光やバイオマス等を
利用した電気供給事業を手掛けるSPCが
多くございます。

電気供給事業では、発電所が完成し
売電が始まると、売電の収入金額に応じて
事業税の「収入割」が発生します。

担当させていただいているSPCで、発電所の
製造段階で、海外より部品を輸入した関係で
ドルでの外貨預金残高があるSPCがございます。

決算書は、すべて円で表記しなければならないので
決算毎にその時の為替レートでドルから円に換算
しておりますが、今期の決算時に少額の為替差益
が発生しました。

為替差益は営業外収益となりますが
「収入割」の課税標準となる収入になるのか
念のため、管轄の都道府県税事務所に確認しました。

あまり前例がないそうで、回答に時間を要しましたが
「控除できると明記はされていないが、為替差益の
ように、実際にはキャッシュが動いているものでは
ない評価額によるものは、収入から控除してよい」
との回答でした。

但し、都道府県民税の申告の際に提出する
第六号様式別表六「収入金額に関する計算書」の
収入金額の総額と控除される金額の両方に記載が
必要との事でした。

外貨預金のあるSPCはあまりないかと思いますが
参考にしていただければと思います。

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インボイス制度・導入スケジュール

インボイス制度の導入開始は、2023年10月で、しばらく日数があります。
そのため、随分先のことと思いがちですが、経理作業の事務的対応のためには、
一定の準備が必要です。

   年  月 主な内容
2021年(令和3年)10月登録申請受付開始
2023年(令和5年)3月インボイス開始(2023年10月)に、登録事業者となる登録期限
2023年(令和5年)10月インボイス制度開始

 

登録申請は任意で、2023年10月から、適格請求書でなければ、
全額仕入控除出来ない訳ではありません。

登録申請しない事業者が発行する『適格でない請求書』でも経過措置として、
一定期間仕入控除することが可能です。一定の猶予期間の間に検討を重ねて、
インボイス登録申請を判断することも一考です。

【適格でない請求書での仕入控除額(経過措置)】

   期  間 仕入控除出来る割合
~2023年9月100%(現行)
2023年10月~2026年9月80%
2026年10月~2029年9月50%


インボイス制度とは

2023年10月より、インボイス制度が開始します。

この制度は、消費税の計算の際、
取引先から『登録番号』等の記載ある『適格請求書』を入手し、
保存しなければならないと改正されました。

この『適格請求書』を発行する事業者は、
事前に税務署に『登録』が必要で、
登録されると国税庁のホームページに掲載され、
登録された事業者であるか否かも、
容易に判定できるようになります。

『適格請求書』の発行事業者は、
消費税の課税事業者となり、
消費税申告をする事業者であります。

これによって、従来、年間売上高が
1000万円に満たない小規模事業者は、
取引先に消費税を請求しても、
消費税申告・納税をしないで、
消費税分が利益となるいわゆる『益税』となっていたものを
解消することがこの制度のポイントです。

『適格請求書』を発行しない事業者の場合、
相手先はその事業者に支払った消費税を
仕入税額控除(以下、『仕入控除』)出来ず、税負担が増えます。
そのため、制度開始後は取引価格や取引継続にも
影響を及ぼすことが予想されます。

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不動産会社の事業戦略とSPC

不動産会社の事業には、大きく分けて2種類のものがあります。

① 仲介手数料、建物管理報酬等のフィービジネス

② 不動産を開発して販売したり、自己保有物件を売買することで売却益を得るビジネス

があります。

①の場合、借入金等は無くても自己資金だけでも出来ます。

②の場合、まとまった資金が必要なので、借入が必要となります。

一般的な会社は、①と⓶のビジネスを1つの会社で混在させて行っているケースが

多くあります。その結果、①で得た手数料収入を、不動産投資に回すなどして

①と⓶のビジネスで資金が混在して利用することになります。

その結果、自転車操業が蔓延化し、安定した経営が出来ていない会社もあります。

SPCは不動産投資をプロジェクト毎に分けることが出来て

投資不動産から得る資金を直接他のプロジェクトや事業に

転用出来ません。

そのため資金の流れが明確になり、上述のような資金が混在することが

なくなります。

不動産会社が継続して、安定成長をするには、不動産投資資金と

手数料等のフィービジネス収入を分けて管理出来るか否かが

ポイントとなります。

そのために、SPCを利用し資金管理の透明性を

確保しようとすることもあります。

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1月は償却資産税申告月です。

1月は、法定調書の作成・提出、償却資産税の申告など
平常月にはない、固有の業務が発生します。

また、お正月を挟むので、営業日が3~4程度少なく、
年始は挨拶まわりなどしていると、稼働出来る日数は
更に少なくなります。

そういった意味では、1月は年末以上に忙しい月です。
ただ、法定調書の提出は、12月までにデータの登録
償却資産税の申告も、固定資産台帳を整備し、登録が完了
してあれば、作業量が大きく増えることはありません。

再生可能エネルギー案件では、償却資産税の軽減措置が
受けることが出来ることがあるので、
① 軽減措置の確認
⓶ 軽減措置を受けるために必要な資料等の入手
など、事前に準備しておくことがあります。

償却資産税の申告期限は、1月末なので、軽減措置を受ける
償却資産は、必要な資料を事前に確認し、入手しておくことが
忙しい1月を乗り越える方法でもあります。

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免税販売手続の電子化

2021年10月1日から
免税販売をおこなっている事業者は
電子化対応が必須となりました。

従来、訪日外国人に対して免税販売をおこなう際には
購入者のパスポート情報や購入情報をもとに
書面により購入記録票を作成していましたが
2021年10月1日からは、購入記録情報を電子化して
国税庁に提供しなければならなくなりました。

電子化対応をしていない場合は
免税販売はおこなえなくなります。

電子化対応で免税販売をおこなうためには
まず「輸出物品販売場における購入記録情報の
提出方法等の届出書」を所轄の税務署長に提出します。

その際に、電子化した購入記録情報の送信方法を
・事業者自ら情報を送信する方法
・事業者と契約した承認送信事業者を介して送信する方法
のいずれかを選択をして届出ます。

昨今のコロナ禍の状況をふまえ
電子化未対応を理由にすぐに免税店の
許可が取り消されることはないようです。

しかし、コロナの感染状況が落ち着き
訪日外国人の受け入れが可能となった時に
免税販売が見込まれる場合には
あらかじめ届出書を提出し、電子化対応での
免税販売に備えておく必要があります。

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太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度

2022年7月から 太陽光発電事業者には
廃棄費用の積立制度が開始します。
制度の概要は、次の通りです。

fip_document03.pdf (meti.go.jp)

(主な内容)

・毎月受取る売電収入から一定額を控除
されて強制的に積み立てをする。(給料の源泉税のような仕組)

・FIT期間終了10年前から積立(控除)が開始する。
・積立金の計算方法は、下記の表を参照(概ね 売電収入の4~6%)

・積立金は、発電事業者が、発電所を廃棄する時の廃棄費用に充当されます。

この積立制度開始後の、太陽光発電事業者は、次のような会計処理をします。

(預金)  95  (売電収入)100
(積立金)  5

従来のFIT制度によって、発電事業者のローン返済計画、投資家への配当計画を
立てている場合、積立制度の開始により、計画変更を検討するケースも
出て来ると思います。

また、新たに太陽光発電事業を開始する事業者は、買取が開始してから
11年目には、積立制度があることを考慮して、資金計画を立てる必要が
あります。

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