信託の課税区分

担当するGK-TKスキームで不動産信託受益権取得後、
最初の決算期を迎え、取得した稼働済みのホテルの
不動産信託受益権に係る消費税還付の申告を行いました。

申告後に税務署より連絡があり、今回の課税仕入れについては、
『法人課税信託』ではないかとの指摘があり、受益者であるGKは、
消費税還付を受けられないのではとのコメントがありました。 
その理由としては、『平成19年度 信託税制の改正のあらまし』
5(8)の法人課税信託を挙げていました。

今回、会社が保有した不動産信託受益権は、不動産管理処分信託
契約に基づくもので、不動産信託契約に該当します。
不動産の所有者が委託者となって受託者に不動産を信託し、
受託者は受益者のために不動産の管理処分を行い、
そこから生じる利益を受益者に交付することを合意する契約
ですので、『受益者等課税信託』にあたります。

不動産信託では、『受益者』、『委託者』、『受託者』の3者が
存在し、それぞれがどの会社であるか混同する事があります。
恐らく、ご担当者は『受益者』と『受託者』を混同し、いわゆる
GK-TKスキームを『法人課税信託』、つまり、『受託者』である
信託銀行が主体となるものと誤解されていたように思われます。

東京では、GK-TKスキームの件数も多く、スムーズな対応に
なるかもしれませんが、大阪では件数も少なく、このような事も
発生しています。

ただ、数回の書類のやり取りで、正しくご理解いただき、
無事に還付手続きも完了しました。

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不動産会社の事業戦略とSPC

不動産会社の事業には、大きく分けて2種類のものがあります。

① 仲介手数料、建物管理報酬等のフィービジネス

② 不動産を開発して販売したり、自己保有物件を売買することで売却益を得るビジネス

があります。

①の場合、借入金等は無くても自己資金だけでも出来ます。

②の場合、まとまった資金が必要なので、借入が必要となります。

一般的な会社は、①と⓶のビジネスを1つの会社で混在させて行っているケースが

多くあります。その結果、①で得た手数料収入を、不動産投資に回すなどして

①と⓶のビジネスで資金が混在して利用することになります。

その結果、自転車操業が蔓延化し、安定した経営が出来ていない会社もあります。

SPCは不動産投資をプロジェクト毎に分けることが出来て

投資不動産から得る資金を直接他のプロジェクトや事業に

転用出来ません。

そのため資金の流れが明確になり、上述のような資金が混在することが

なくなります。

不動産会社が継続して、安定成長をするには、不動産投資資金と

手数料等のフィービジネス収入を分けて管理出来るか否かが

ポイントとなります。

そのために、SPCを利用し資金管理の透明性を

確保しようとすることもあります。

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投資事業有限責任組合の解散

担当をしております、投資事業有限責任組合で、
組合を解散する事となりました。

このLPSでは、適格機関投資家特例業務を
行っており、毎事業年度経過後3ヶ月以内に
無限責任組合員とLPSの事業報告書を作成し、
金融庁業務支援統合システムより提出する必要が
ありました。
今回の解散にあたり、届出が必要な書類確認の為、
所轄である近畿財務局へ確認したところ、
下記の通りのご回答をいただきました。

① 届出者自体が解散し、ファンドも解散 → 解散届出
② 届出者は存続し、ファンドのみ解散 → 廃止届出

今回は、②に該当し、廃止届書の提出と併せて、
次の書類を準備する必要がありました。
 ・LPS閉鎖事業全部証明書
 ・ファンド口座の通帳写し
 ・LPS最終決算報告書
 ・出資者から受領した清算に係る承諾書
 ・振込依頼書の写し(現金または、預金での清算の場合) 
※廃止届出書は、関東財務局HPよりダウンロードが可能です。

このように、LPSの解散に伴い、適格機関投資家特例業務を
終了する際には、その根拠資料の提出が求められます。

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特定目的会社の優先出資の減資について

担当させていただております
特定目的会社で減資をいたしました。

以前、こちらのブログで
特定目的会社の増資についての
お話をさせていただきましたが、
減資と増資の一番の違いは、
減資する場合、事前手続が必要な点です。

増資は、事前手続の必要はありませんが
減資は、債権者等に対して、減資しても良いか
確認をしなければなりません。

実務的な手続きとしましては、
債権者等に催告書を出したり、
また、官報に減資する旨の公告を掲載します。

そして、1ヶ月以上の異議申出期間を定め、
期限内に特に異議の申出がなければ、
そこで、はじめて減資することが出来ます。

そのため、増資と異なり、スケジュールを立てて
手続きを進める必要があります。

減資の手続きが完了すると
その後は、増資同様に2週間以内に
登記申請をおこない、減資の登記が完了すると、
国・都道府県・市町村へ登記事項の変更の
異動届を提出します。

増資同様に減資により資本金の額が変わると
法人税の均等割の税額が変わることもあるので、
減資の場合も、登記が完了したら、
速やかに減資の異動届出をおこなう必要があります。

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2020年10月~ 賃貸住居建物消費税 仕入控除制限

ご承知の通り、昨年2020年10月以降に、賃貸している
住居用不動産の建物取引に伴う消費税は、購入者は
仕入控除出来なくなりました。

この改正は、いわゆるレジ系の不動産ファンドにも大きく
影響を与える改正です。

仮にSPCが課税事業者として、賃貸住居不動産の建物
購入時に支払う消費税は控除(還付)出来なくても、同建物を
売却時に預かる消費税は、全額納付することになります。
(簡易課税は選択しないことを想定)

不動産投資では、利回りを計算しますが、この建物消費税の
を購入時には控除出来なくても、売却時には全額納付すると
相当のキャッシュのマイナスになり、利回りにも影響を
します。

このような税負担を軽減する方法として、2つご紹介します。

① 購入時から3年以内(正確には購入時の消費税の課税期間から
3年以内など、少し複雑な計算がありますが・・・)に、売却する
場合、購入時に支払った消費税の一定割合(『保有期間と売却時の
課税売上』を『同期間の非課税売上と課税売上の合計』で割った割合)を
乗じた額を仕入控除する。ポイントは、3年以内に売却することです。

⓶ 消費税の免税制度を有効に利用して、保有期間中の年間課税売上を
1000万円におさめることで、SPCを永続的に、免税事業者にします。
そうすることで、売却時に預かる消費税を納税する必要がなくなります。
ただし、この制度は、インボイス制度が始まると使えない方法です。
 なぜなら、インボイス制度が本格的に始まると、免税業者が、不動産
売却時に、消費税を預かることは出来なくなります。

商業用不動産やオフィス系不動産では、上記のような論点は出てきませんが
住居系賃貸不動産では、消費税の扱いに、注意が必要です。

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特定目的会社解散後の会計期間

通常の株式会社が解散する場合、
これまでの事業年度開始日から解散の日までを1事業年度(解散事業年度)として税務申告をし、
その後は、解散の日の翌日から1年ごとの期間を1事業年度(清算事業年度)とします。

これは、法人税法基本通達1-2-9に下記のように定められているからです。

株式会社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が解散等をした場合における清算中の事業年度は、当該株式会社等が定款で定めた事業年度にかかわらず、会社法第494条第1項又は一般法人法第227条第1項《貸借対照表等の作成及び保存》に規定する清算事務年度になるのであるから留意する。

ここで注目してほしいのは、ここに定められているのは、
「株式会社、一般社団法人、一般財団法人」であるという点です。
特定目的会社にはこの規定は適用されません。

したがって、特定目的会社が解散した場合は、解散事業年度で決算申告をした後、
定款記載のこれまで同様の決算日に決算をする必要があります。

たとえば、3月末決算の会社が3月15日に解散し、翌年の5月末に清算決了する場合、

株式会社であれば、
3/15 解散申告 ⇒ 翌年3/15 清算1年目の決算申告 ⇒ 翌年5/31精算決了申告
となりますが、

特定目的会社の場合は、
3/15 解散申告 ⇒ 3/31清算後1回目の決算申告 ⇒ 翌年3/31清算後2回目の決算
⇒ 翌年5/31 清算決了申告
となります。

申告回数が違ってきますので、ご注意ください。

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事業税収入割 申告の添付資料

太陽光発電や、バイオマス発電等の

発電事業者の場合、SPCの本店の

所在する都道府県に対して、事業税

収入割(売電収入の一定割合を納税)が

発生します。

収入割課税が発生するSPCに対して

大阪府の府事務所は、通常の所得割課税

しかない法人とは異なり、

  • 貸借対照表、損益計算書等の決算書
  • 法人税申告書の別表4
  • 雑収入の内訳書

を添付書類として、提出を求められます。

収入割課税の場合、所得割とは異なり

売上高や雑収入の中身を府税はチェックしたいようです。

また、事業実態として、発電所が

バランスシートに計上されてることも

確認するため、貸借対照表の提出を

求めていると思います。

事業税の収入割が発生する場合、通常の

法人とは異なる添付書類の提出を

求められることに、注意してください。

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新設会社の減価償却

昨年11月に設立した新設の特定目的会社で
この1月に特定資産の購入をいたしましたので、
固定資産台帳兼減価償却明細書を作成いたしました。

SPC案件では、特定資産購入時に、会社設立時に作成した事業計画通りの
キャッシュフローが実現するか
正確な減価償却費等を計算して検証します。

今回購入した建物の耐用年数は、50年。償却率は、0.02です。
資産を取得したのは、1月ですから期末の3月31日までは3月。
(月の途中で購入した場合も1月と数えます。)

取得価格 1億円 x 償却率0.02 x 事業共用月数3月/12月 =減価償却費 500,000円

と計算してしまいそうですが、
新規設立等で事業年度が12月に満たない場合は
少し計算方法が変わってきます。

償却率0.02 x 事業年度の月数5月/12ヵ月=調整後の償却率0.009(小数点3位未満切り上げ)
取得価格1億円 x 調整償却率0.009 x 事業共用月数3月/事業年度の月数5月 =減価償却費 540,000円

計算方法を間違えると減価償却費が少し違ってきますので、注意が必要です。

SPCは、複数の投資家や債権者と事業計画を共有していますので、
最初のシミュレーションと実際のキャッシュフローが大きく違ってくると
後で説明が大変になります。
減価償却費に限らず、慎重に正確なシミュレーションをすることが必要になります。

シミュレーションは、主にAM会社の役割ですが、
減価償却費のような会計の知識が必要な項目に関しては、
事務管理会社がお手伝いをすることもあります。

適格機関投資家特例業務について

担当をしております投資事業有限責任組合では
適格機関投資家等特例業務によるファンドの
運用を行っています。

適格機関投資家等特例業務とは、ファンドマネージャが
第二種金融商品取引業や投資運用業などの登録を必要と
せずに自己募集や運用を行う事業の仕組みです。

通常、第二種金融商品取引業への登録は数ヶ月かかりますが、
適格機関投資家等特例業務の場合は審査がないため数週間程で
事業を開始する事も可能です。ファンドの設立に時間をかけず、
低コストに抑えることが出来ます。

適格機関投資家特例業務を行うには、募集を行う前に
金融庁への届出を行う必要があります。
また、適格機関投資家特例業務者は、事業年度ごとに
事業報告書を作成し、毎事業年度経過後3ケ月以内に
提出する必要があります。

報告の際には、金融庁業務支援統合システムを利用して
行います。提出期限を遵守しない場合や、虚偽の報告を
行った場合は行政処分や罰則の対象となる事がありますので、
注意が必要です。

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消費税課税事業者の選択届

最近、お取り扱いしたSPC案件で、次のような出来事がありました。
投資対象は、再生エネルギー発電所で、SPCは数年前に設立されておりました。最初は、事実上休眠状態で、法人税申告のみしておりました。

いよいよプロジェクトが稼働する段階になり、資金調達のため事業計画を作成し、関係者との条件交渉などを進めるようになりました。

弊事務所では、作成された事業計画の主に、税金面の検証作業を
することになりました。
その過程で、重大なことに気が付きました。

事業計画では、設備投資(発電所工事代金)に係る消費税は
設備が完成する翌年度に、還付を受ける前提で作成されておりました。

そのSPCの資本金は、200万円で株主にも、大きな会社はありません。
このままでは、免税業者で、消費税の還付を受けることは出来ません。

にもかかわらず、消費税が還付される前提で事業計画を
作成されておりました。

慌てて、課税事業者の選択届の提出を促し、設備の引渡しは
翌期であったため、設備投資の消費税還付は、可能となりました。

SPC案件では、消費税の扱いは、十分注意しなければ
事業計画の前提が大きく異なるケースがあるので、

⓵SPCの資本金
②SPCの株主構成
③SPCの売上高の推移
④SPCの税務署等への届出書類の状況
⑤SPCの過年度の税務申告書

などを確認して、今、SPCはどんな状態にあり、
どんな選択をすべきか、検証しなければなりません。

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